和紙原料の種類


和紙の代表的な原料は、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)の3種類で、木の皮の繊維を原料としています。
出ヶ原和紙工房では、自生している楮を刈り取り、和紙の原料としています。

楮(コウゾ)

コウゾはクワ科コウゾ属の植物で、ヒメコウゾとカジノキの交雑種である。古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料である。日本の山野に自生しているが、多くは和紙の原材料として栽培されている。
西会津では、元々は姫楮(ヒメコウゾ)を使用していたものと推測されますが、後に栽培品種の楮も多く植えられたという記録があります。現在は、姫楮と栽培品種双方が自生したものを使っています。徐々に栽培も試行錯誤しながら行っています。

ネリについて


長い繊維が絡み合うことで作られる和紙。繊維に強い粘りを加えるのがトロロ(ネリ)と呼ばれるものです。ネリを加えることによって、紙を漉く時に漕内の繊維が均一に保たれ、綺麗な紙を漉くことができます。
出ヶ原和紙工房では、ノリウツギやトロロアオイなどをネリの原料としています。

ノリウツギ

アジサイ科アジサイ属の落葉低木。樹液を和紙を漉く際の糊に利用したため、この名がついたとされる。樹皮の下の「内皮」の粘りが手すき和紙に必要な糊となる。和紙以外にも、薬として使われたそうです。西会津の出ヶ原集落の付近の沢で粘りの強いノリウツギが取れたことで、紙漉きが盛んになったとされています。

トロロアオイ

アオイ科トロロアオイ属の植物。この植物から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎなどに利用される。花は所謂花オクラとして食用にも利用されています。現在は出ヶ原集落で栽培を行っています。